中山淳雄『エンタメビジネス全史 「IP先進国ニッポン」の誕生と構造』
出版社:日経BP
「エンタメの歴史は、日本人の英知と野心の宝庫である」佐々木紀彦(PIVOT代表取締役)
おもしろすぎるゼロイチ挑戦の物語――。
任天堂、ポケモン、DeNA、手塚治虫、BL、コミケ、ジャンプ、コロコロ、正力松太郎、ディズニー、東アニ、エヴァンゲリオン、ジブリ、鬼滅、ソニー、ナベプロ、ジャニーズ、宝塚、松竹、吉本、力道山、グレイシー、東映、角川、巨人、新日本プロレス……
本書は、エンタメ産業がどんな環境下で誰の手によって生まれ、どんな手段でビジネスモデルを構築していったのか、そのエポックをまとめたエンタメビジネスの教科書である。同時に本書は、ゼロイチでビジネスを生み出すための教科書にもなる。なぜならエンタメは市場ゼロから生み出されたものだからだ。人を喜ばせたいというピュアな発想から生まれ、その可能性を見いだした投資家などの支援者がついて、コンテンツを供給するクリエイターが企業の中に入り、ユーザーが定期的にお金を払う状態に至るまで、並々ならぬ過程を経ている。
この産業には新時代の予兆がある――。
興味本位で非実質的なものだからこそ、エンタメ産業のビジネスモデル構築は非常に前衛的で実験的である。この実験が先行することによって、技術的イノベーションのたびにユーザーがどう変化するかを他産業は時間をかけて受容し、アジャストしていくことができる。「エンタメ産業のカナリア」の音楽産業が先行して引き受けたダメージを見ながら、他のエンタメ産業も、それ以外の重厚長大産業すらも、新時代の予兆を感じ取るのである。エンタメは社会構造の入口/出口に恒常的に立ち現れる、「産業の様式美」である。(「終章」より)
◎目次
序章
「遊びは子供のためのもの」という嘘/混然一体のインセンティブが働いて経済を回す/アニメ、ゲーム、マンガを「生み出す人たち」を愛す/エンタメを産業として分析する/「放置されたサブカル領域」だった日本のエンタメ/クリエイター→IP→メディア→ユーザー/クリエイターは時代に合わせてメディアを選ぶ/ゼロイチでビジネスを生み出す教科書
第1章 興行
1 -1 「一度限りの瞬間」を売る期待値商売
1 -2 明治・昭和に世界行脚した興行師たち
1 -3 日本の興行モデルを作り上げた東宝、松竹、吉本
1 -4 パリ>ロンドン>ニューヨーク>東京 エンタメの「本場」の変遷
1 -5 マスメディア凋落のネット社会における「唯一の成長市場」
1 -6 ハコを乗り換える興行コンテンツ
第2章 映画
2 -1 ハリウッドに先んじる映画大国だった日本
2 -2 東映と東宝によるサバイバル戦争
2 -3 監督育成装置としての「ピンク映画」と日活ロマンポルノ
2 -4 ソニーが生み出したハリウッド映画の帝国主義
第3章 音楽
3 -1 エンタメ産業のカナリア
3 -2 対立こそが音楽創造の種
3 -3 「日本一速い企業」ソニー、音楽コングロマリットに
3 -4 アイドルビジネスとしての音楽産業と芸能事務所の影響力
3 -5 エイベックスと小室哲哉の時代 J -POP鎖国化した日本
3 -6 ストリーミングで再び「掛け算ビジネス」が始まる
第4章 出版
4 -1 戦後最大のベンチャー産業
4 -2 大正時代に確立された世界最高の出版流通システム
4 -3 出版市場の3割を超えるマンガ
4 -4 メディアミックスとキャラクタービジネス
第5章 マンガ
5 -1 日本独自の発展過程
5 -2 手塚治虫が築き上げた産業インフラ
5 -3 女性版トキワ荘「大泉サロン」から始まるBLとコミケ
5 -4 ホビーやゲームとのコラボという新機軸を切り拓いた『コロコロ』
5 -5 電子マンガの急拡大と強敵の出現
5 -6 海外市場が史上最大化
第6章 テレビ
6 -1 日本のテレビはなぜこんなに強いのか
6 -2 「テレビの神」正力松太郎
6 -3 テレビ局の大再編と全国ネットワーク化
6 -4 コンテンツ王者としての存在感
第7章 アニメ
7 -1 ハリウッドに対抗する世界アニメの聖地
7 -2 狂気から生まれたテレビアニメ産業
7 -3 エヴァンゲリオンが時代を変えた
7 -4 アニメを「作品」にしたスタジオジブリ
7 -5 『鬼滅の刃』を実現させたアニメコングロマリットのアニプレックス
7 -6 ディズニー&ピクサーが生み出した21世紀アニメビジネス
第8章 ゲーム
8 -1 唯一無二の市場開拓者 任天堂
8 -2 ゲームから始まるメディアミックス
8 -3 家庭用ゲームの世界覇権競争
8 -4 そしてすべてオンラインになった
8 -5 妄想と期待値にドライブされるゲーム会社経営
第9章 スポーツ
9 -1 アマチュア主義からプロ化へ
9 -2 オリンピック、その光と影
9 -3 放映権料はなぜこれほど高騰するのか
9 -4 スポーツ関連ビジネスの拡大
9 -5 プロ野球経営に見る日本のスポーツビジネスの未来
9 -6 世界随一の格闘技市場としての日本 巨大化する海外企業
終章
クリエイターが変化し、永続性を持つ/決して絶滅はしない、しなやかな特性/団塊世代とともに醸成された日本の消費型エンタメ/海外への影響、子世代・孫世代の育成/欠乏した「海外」へのマーケティング機能/社会の入口/出口に寄り添うエンタメの社会的機能/実験的で前衛的な産業として新時代の予兆となる(出版社より)
「エンタメの歴史は、日本人の英知と野心の宝庫である」佐々木紀彦(PIVOT代表取締役)
おもしろすぎるゼロイチ挑戦の物語――。
任天堂、ポケモン、DeNA、手塚治虫、BL、コミケ、ジャンプ、コロコロ、正力松太郎、ディズニー、東アニ、エヴァンゲリオン、ジブリ、鬼滅、ソニー、ナベプロ、ジャニーズ、宝塚、松竹、吉本、力道山、グレイシー、東映、角川、巨人、新日本プロレス……
本書は、エンタメ産業がどんな環境下で誰の手によって生まれ、どんな手段でビジネスモデルを構築していったのか、そのエポックをまとめたエンタメビジネスの教科書である。同時に本書は、ゼロイチでビジネスを生み出すための教科書にもなる。なぜならエンタメは市場ゼロから生み出されたものだからだ。人を喜ばせたいというピュアな発想から生まれ、その可能性を見いだした投資家などの支援者がついて、コンテンツを供給するクリエイターが企業の中に入り、ユーザーが定期的にお金を払う状態に至るまで、並々ならぬ過程を経ている。
この産業には新時代の予兆がある――。
興味本位で非実質的なものだからこそ、エンタメ産業のビジネスモデル構築は非常に前衛的で実験的である。この実験が先行することによって、技術的イノベーションのたびにユーザーがどう変化するかを他産業は時間をかけて受容し、アジャストしていくことができる。「エンタメ産業のカナリア」の音楽産業が先行して引き受けたダメージを見ながら、他のエンタメ産業も、それ以外の重厚長大産業すらも、新時代の予兆を感じ取るのである。エンタメは社会構造の入口/出口に恒常的に立ち現れる、「産業の様式美」である。(「終章」より)
◎目次
序章
「遊びは子供のためのもの」という嘘/混然一体のインセンティブが働いて経済を回す/アニメ、ゲーム、マンガを「生み出す人たち」を愛す/エンタメを産業として分析する/「放置されたサブカル領域」だった日本のエンタメ/クリエイター→IP→メディア→ユーザー/クリエイターは時代に合わせてメディアを選ぶ/ゼロイチでビジネスを生み出す教科書
第1章 興行
1 -1 「一度限りの瞬間」を売る期待値商売
1 -2 明治・昭和に世界行脚した興行師たち
1 -3 日本の興行モデルを作り上げた東宝、松竹、吉本
1 -4 パリ>ロンドン>ニューヨーク>東京 エンタメの「本場」の変遷
1 -5 マスメディア凋落のネット社会における「唯一の成長市場」
1 -6 ハコを乗り換える興行コンテンツ
第2章 映画
2 -1 ハリウッドに先んじる映画大国だった日本
2 -2 東映と東宝によるサバイバル戦争
2 -3 監督育成装置としての「ピンク映画」と日活ロマンポルノ
2 -4 ソニーが生み出したハリウッド映画の帝国主義
第3章 音楽
3 -1 エンタメ産業のカナリア
3 -2 対立こそが音楽創造の種
3 -3 「日本一速い企業」ソニー、音楽コングロマリットに
3 -4 アイドルビジネスとしての音楽産業と芸能事務所の影響力
3 -5 エイベックスと小室哲哉の時代 J -POP鎖国化した日本
3 -6 ストリーミングで再び「掛け算ビジネス」が始まる
第4章 出版
4 -1 戦後最大のベンチャー産業
4 -2 大正時代に確立された世界最高の出版流通システム
4 -3 出版市場の3割を超えるマンガ
4 -4 メディアミックスとキャラクタービジネス
第5章 マンガ
5 -1 日本独自の発展過程
5 -2 手塚治虫が築き上げた産業インフラ
5 -3 女性版トキワ荘「大泉サロン」から始まるBLとコミケ
5 -4 ホビーやゲームとのコラボという新機軸を切り拓いた『コロコロ』
5 -5 電子マンガの急拡大と強敵の出現
5 -6 海外市場が史上最大化
第6章 テレビ
6 -1 日本のテレビはなぜこんなに強いのか
6 -2 「テレビの神」正力松太郎
6 -3 テレビ局の大再編と全国ネットワーク化
6 -4 コンテンツ王者としての存在感
第7章 アニメ
7 -1 ハリウッドに対抗する世界アニメの聖地
7 -2 狂気から生まれたテレビアニメ産業
7 -3 エヴァンゲリオンが時代を変えた
7 -4 アニメを「作品」にしたスタジオジブリ
7 -5 『鬼滅の刃』を実現させたアニメコングロマリットのアニプレックス
7 -6 ディズニー&ピクサーが生み出した21世紀アニメビジネス
第8章 ゲーム
8 -1 唯一無二の市場開拓者 任天堂
8 -2 ゲームから始まるメディアミックス
8 -3 家庭用ゲームの世界覇権競争
8 -4 そしてすべてオンラインになった
8 -5 妄想と期待値にドライブされるゲーム会社経営
第9章 スポーツ
9 -1 アマチュア主義からプロ化へ
9 -2 オリンピック、その光と影
9 -3 放映権料はなぜこれほど高騰するのか
9 -4 スポーツ関連ビジネスの拡大
9 -5 プロ野球経営に見る日本のスポーツビジネスの未来
9 -6 世界随一の格闘技市場としての日本 巨大化する海外企業
終章
クリエイターが変化し、永続性を持つ/決して絶滅はしない、しなやかな特性/団塊世代とともに醸成された日本の消費型エンタメ/海外への影響、子世代・孫世代の育成/欠乏した「海外」へのマーケティング機能/社会の入口/出口に寄り添うエンタメの社会的機能/実験的で前衛的な産業として新時代の予兆となる(出版社より)