須藤孝也『人間になるということ』

須藤孝也『人間になるということ』

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出版社 ‏: ‎以文社

西洋には伝統的に「人間になる」というテーマがあった。だが前世紀にはそれを否定して「人間の終焉」が言われるようになった。しかし私たちはほんとうに「人間になる」ということを放棄してしまってよいのだろうか。

人間不在の市場原理に基づく「新自由主義」が、同じく人間不在の「科学」と「政治」を携えて、ほとんど日常化してしまった現代の日本。無力感、虚無感、絶望に落ち込む人が増えている。このような時代において、はたして人間の「人格」や「尊厳」は何によって担保されるのか。

民主主義のひとつの形を体現してきた、現代の北欧社会にも息づくセーレン・キルケゴールの思想。
「実存の哲学者」として陰に陽に、サルトルやハイデガー、アドルノ、デリダ、ドゥルーズといった現代思想家たちに影響を与えたキルケゴールが私たちに送る「人間とは惨めな存在である」というメッセージ。
だからこそ、人間には「いたわり(ケア)」が必要なのだ。

19世紀北欧の哲学者キルケゴールとともに、人間不在と人間疎外の経済、政治、科学、教育が私たちを飲み込まんとする今日において、「人間になる」ことはいかにして可能かを問う、気鋭の哲学者による「現代の批判」。

目次
前書き

第一章 単独者と超越
第一節 単独性
自他の峻別/単独者の普遍性
第二節 主観性
主観性の真理/日本社会における真理の受けとめ方
第三節 内面性
内面性と外面性、時間性と永遠性/真理と心理ほか
第四節 真理の超越性
超越性の効用/人間恐怖/単独者にとっての他者ほか

第二章 人格とは何か
第一節 人格の生成と発展
実存の三段階とイロニーとフモール/イロニーから倫理へ
懐疑と絶望/人格と責任ほか
第二節 人格神との関わり
「人格神」信仰/反復としての信仰ほか
第三節 人格なき「現代」の諸相 諸宗教についてのキルケゴールの理解/キルケゴールの時代診断ほか
第四節 著作活動
どうして仮名著作を書いたのか/投影論批判
第三章 尊厳あるものへの関わり
第一節 父ミカエルとの関係
第二節 恋人レギーネとの関係
第三節 隣人愛
水平化とは/愛と実践/与えるということ
卑賤のキリスト者/現代デンマークにおける尊厳と平等
人格なき日本人、尊厳なき日本社会ほか

第四章 キルケゴールから現代へ
第一節 人間の惨めさ
キルケゴールと啓蒙/人間の惨めさ
惨めさから目を背けようとする私たち
無力さに絶望しないために/愛することといたわること
第二節 自然主義、相対主義、新自由主義
倫理を忘却する近代の知/相対主義から自然主義、あるいは自文化主義へ
宗教を離れ、自然科学に寄っていった近代の哲学/近代哲学の欠点
この世は正義の世界ではない/新自由主義からの脱却ほか
第三節 キリスト教について
保守主義者キルケゴール/デンマーク人の「真理感覚」
抽象性なき日本文化/現代の絶望とキルケゴールほか
第四節 展望
現代の課題/友情論を付け加える/幸福について
単独者たちの民主主義/
人間になろうとすることが支える民主主義ほか (出版社より)


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