清水裕貴『岸』
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出版社:赤々舎
長く待たれていた清水裕貴の初写真集。十年に渡る水辺をめぐる旅は、写真と言葉の重層を通して、新しく風景を立ち上がらせた。
水と人の関わりから生きている時間を問い直し、水の循環に巻き込まれている存在の切実な物語を探る。
写真によってつくり出された抽象的で不思議な時空と、言葉の世界、黴と埃の関与 ── それらが合わさって、ここであってここでないどこか、失われた人に会える場所、異なる時間が同時に存在する空間が現れる。
皮膜感の表紙を潜り、撓うページの光とともに、たたずむ影が語りだす。岸辺の写真集。