神保京子『奇想のモード』
出版社:青幻舎
「装う」ことは、自発的な行為でありながら、第三者の存在や時代的価値観が影響し、そこから派生した流行に無意識にも支配されてきた歴史ともいえるでしょう。その一方、それらを無視するかのような一見奇異にもみえる異端の潮流が存在しました。本書は、それを《奇想のモード》としてスポットを当て、意識の深層を探求したシュルレアリスムとモードの接近をひとつの視座としながら、肉体という制約への挑戦、有機物への偏愛、古今東西の装いへの狂気的情熱など、テーマを多角的に設定し、常識破りの美の魅力とその創造力の源を検証します。