ルトガー・ブレグマン『Humankind 希望の歴史 上』
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野中香方子 翻訳
出版社 : 文藝春秋
近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。
・ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」
・アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス
・ダーウィンが唱えた、自然淘汰説
・ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆
・少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞
また”性悪説”を裏付けるような心理学実験や人類学の調査がなされてきた。
・スタンフォード監獄実験(人は役割で容易に悪人になれる)
・ミルグラムの電気ショック実験(ナチス「凡庸な悪」の説明根拠に)
・イースター島絶滅の謎(内戦が理由とされ人肉食説すら唱えられた)
だが、これらは本当か。著者は、”暗い人間観”を裏付ける定説の真偽を確かめるべく
世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に辿り着く。
なぜ人類は生き残れたのか。民主主義や資本主義や人間性の限界を踏まえ、
いかに社会設計すべきか、どう生き延びてゆくべきかが書かれた「希望の書」。(出版社より)