原研哉『低空飛行』
出版社 : 岩波書店
日本各地をみずからの足で歩く。そしてデザイナーの目で、さながら高い解像度をもって自然に迫る。そこに発見されたのは、世界に開かれるべき日本の新たな価値である。かならずしも成長が見込めない成熟の時代にあって、自分たちの財産・資源となるのはその風土にほかならない。ウェブサイト「低空飛行」から粋を集めて送る。
■目次
「わたしたち」のデザイン
目的地へ
第一章 低空飛行からの展望
「遊動」へ向かう世界
数字から考えてみる
観光資源は未来資源
工業化時代における「和」
「JAPAN HOUSE」の経験から
低空飛行―異次元の観光へ
半島航空
第二章 アジアに目を凝らす
ホテルとは何か
ジェフリー・バワとその建築
植民地支配の後に生み出されたもの
ジ・オベロイ・バリ
もしも中国が大航海時代を制していたら
アジアの挫折
第二次大戦後の日本と製造業
足元の見つめ方
開かれていること
第三章 ユーラシアの東端で考える
世界を際立たせるスパイス
ラグジュアリーとは
クラシックとモダン
日本のホテルはなぜユーロ・クラシックなのか
シンドラー・ハウス
外からの目
第四章 日本のラグジュアリーとは何か
自然を畏怖する姿勢
内と外の疎通
靴脱ぎと床の切り替え
安息のかたち
空間の多義性
垂直と水平
隅とへり/畳・襖・障子
隅とへり/素材の境界・テクノロジーの境界
水と湯―火山列島の恵み
ピーター・ズントーの「テルメ・ヴァルス」
あるがままの湯
光る水面
湿原と川
湾と水平線
生きた草木を配する
石を置く
清掃
第五章 移動という愉楽
衣・食・住・行
小型エアライン
自動運転車
鉄道の心地よさとは
フェリー
瀬戸内デザイン会議
あとがき
(出版社より)