富澤大輔『平行写真』
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出版社:南方書局
本書『平行写真』は、横位置の写真だけに限定された300枚の変哲のない光景がたんたんと連なる構成となっています。何の強要的な情感もない写真群が、『これは一体なん のためにまとめられた本なのか?』と、つかみきれないままに展開していきますが、わたしたちは次第に、富澤の隣に立って撮影現場を見ているような、一緒になって歩いていく=「平行移動」をしているかのような錯覚をもちはじめます。
決して「真実」を写せるわけではない写真/写真集というフィクションの中に入ってもなお、富澤の写真は「ただそこにある」「本当の姿」だと思わせてしまう、圧倒的なリアリティの光を放ちます。