林詩硯『針の落ちる音』
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出版社:赤々舎
台湾出身の写真家 林詩硯(Lin Shihyen)は、自傷行為に向き合うひとたちのポートレートを、被写体を募集しながら撮影してきました。
柔らかな自然光のもと、静かに照らし出されるひとりと、それらを取り巻く光景。
影の混じる奥行きと、空気の立体感が印象的な写真は、私たちが見ることによってはじめて存在が生起してくるようです。
時間と共にある傷跡。命から生じるいびつさ。生の揺らぎ。
日常のなかの痛みは光によって息づき、ひとりひとりがその孤独においてつながりを帯びることを、林詩硯の写真は語りかけます。
向き合って撮ることの、その眼差しの可能性に打たれる初写真集。