『エクリヲ vol.15』
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日本から最も遠くにある現代(モダン)、そこから見える世界とは
日本人にとってラテン・アメリカを正しく知ることは難しい。地球の反対側にある彼の地に関わる報告は、ギャングの抗争、麻薬カルテルの動静、政府要人の暗殺と常にエキセントリックなものばかりだ。文化についても知っているようで、華々しいラテンアメリカ文学のかつての功績に隠れてしまい、現代の文化を知るのは難しい。そこに今生きている人の声が、どうにも捉え難くなっているのだ。
本特集はラテン・アメリカを現代的(モダン)に、決して遠ざけず、しかし誤解に満ちたエキゾティシズムにも置かずに、ふさわしい距離感で見据えることを目的としている。我々にとって一番距離的・心理的に遠くにあるからこそ、我々の価値観とは異なる観点が眠っているのかもしれないからだ。ラテン・アメリカで精力的に活動するクリエイターたちへのインタビュー、近年の映画や文学作品のレビュー、そしてラテン・アメリカの文学・哲学・映画・格闘技などさまざまな文化を扱った多彩な論考をお届けする。
【CONTENTS】
Interview
クリストバル・レオン
ホアキン・コシーニャ
イグナシオ・アグエロ
パウリーナ・フローレス
岡村 淳
Column
モダン・ラテン・アメリカを知る10の小説/10の映画
Critique
MRからMRへ─―歴史の周期と再来する神のビジョン
横山 宏介
不自然な観客のために――ラテンアメリカ映画の宛先
新谷 和輝
距離と強度――ボルヘスのポストクリティーク
安原 瑛治
食人の思想の現代的意義
オズヴァウヂ・ヂ・アンドラーヂからスエリー・ロルニクへ
居村 匠
“異聞”としてのブラジリアン柔術
山下 研
◆特集外コンテンツ
Critique
主人公(プレイヤー)が戦い(プレイし)続ける意味――『Fate/Grand Order』「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン
惑星を統べるもの」における物語体験
高井 くらら