森山大道『DAIDO MORIYAMA SHASHIN JIDAI 1981–1988』
店頭でも販売しているため、タイミングによっては売り切れの場合がございます。あらかじめご了承ください。
出版社:DASHWOOD BOOKS
日本人写真家、森山大道の作品集。作者は1970年代前半から「大スランプ」に陥っていた。「他人の写真やテレビなどの無原則な複写や、シャッターの空落としのネガ」などで構成され、写真表現の極限を模索した『写真よさようなら』(写真評論社、1972年)を刊行後、失速状態になり、写真をほとんど撮ることができない時期が続いた。薬物に手を出したことで、体重が40キロ台まで落ち、心身ともにどん底の状態にまで落ち込む。だが、1980年代になって「ほこりをかぶった一台のカメラ」を手にし、ようやく再起に向けて始動しはじめていた。その矢先に、『写真時代』創刊号で、編集者である長谷川明のインタビューを受けることになる。
そのインタビュー記事にあわせて「光と影」と題して掲載された4点の作品が、写真家としての再スタートの号砲となり、1988年4月の「写真時代」が廃刊となる63号までのすべて(1号を除く)にエッセイと写真を寄稿した。森山は「写真時代」に6つの連載(「光と影」「東京」「仲治ヘの旅」「DOCUMENTARY」「美しい写真の作り方」「僕自身への手紙」)を制作しました。本書は、連載に掲載されていたエッセイを抜粋し、そこに英語訳をつけ、作者が作品に込めた想いやその当時の姿を日本国外のコレクターや美術関係者に伝えることを目指し制作された。
「写真時代」への連載の中で、森山は実験的な試みの作品を自由に発表することが出来たことは、のちの森山の作品に大きな影響を与えたことは否めない。また、写真時代のために撮影した写真のネガは80%以上消失しており、本書はそれを再生すべく、雑誌の原本をスキャンし、全作品を本書に収録することに力を注いだ。400ページに及ぶ本書は、今世紀において最も偉大な写真家の一人である森山大道の史跡を辿る上で重要な写真集となるであろう。
作者本人によるエッセイ、また写真評論家である飯沢耕太郎による寄稿文を収録。ポスター付き。