【サイン本あり】岡部桃『MY BLOODY HAND』
※サイン本はお一人一冊まででお願いいたします。二冊以上、二冊目のご注文は自動的にキャンセルいたします。ご了承ください。
また店頭でも販売しているため、タイミングによっては売り切れの場合がございます。あらかじめご了承ください。
出版社:LITTLE BIG MAN BOOKS
本書は二つの写真群により構成されている。前半は岡部自身が流産した際に集めた血液を夜な夜な顕微鏡で覗く行為を繰り返し撮影されたイメージが続く。この行為は前作『イルマタル』(2020)の生殖補助医療を用い、自らの身体を介して行った妊娠・出産を「実験」のように捉えたものと通底する態度がある。顕微鏡を覗いた先に現れるイメージは、なにかの形を成そうとしているようにも、その形が崩れているようでもある。また、それらは豊かな色彩とともにあり、惑星の地表や星雲などを写した天体写真のようにも見えてくる。ここではないどこか遠くの場所を目で辿る岡部の行為を反復するようにページを捲る。
こうした果てしない旅のようなイメージを抜けると、後半は岡部の子どもたちを軸にした写真が続く。こちらの考えが及ばない不思議な生命体でありながら、それでも岡部の側に確かにいる存在として写る子どもたち。家族という枠組みの中でではなく、純粋に1人の他者として、とりとめのない生の一つとして子どもを見つめる視線。かれらの目には何が写っているのだろうか、そしてどこに行ってしまうのだろうか。子どもや岡部の身体を写したイメージとイメージの間にたびたび現れる風景写真は、これらが旅の終着点ではなくどこまでも続くものであることを示唆するように静かに佇んでいる。(ハードカバー/229 x 298 mm/144ページ)