小指『宇宙人の部屋』

小指『宇宙人の部屋』

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文庫サイズ 320P

自分たちとアルコール依存症の17年間と、
私の共依存症と回復の記録。

《なぜか付き合う男が、全員アル中だった…》で始まる、過去に出した同人誌・宇宙人の食卓の"その後"の話。
偏食のKと奔放過ぎるA、そして「自分が彼らを助けなきゃ」と必死になっていた共依存症者の私が、全員で嗜癖の渦中から抜け出そうと生きた記録。

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わたしが恋したひと、一緒に起きて寝て人生を共にしてきたふたりは宇宙人だった。空の上にある無限の暗闇ではなくて、酒瓶の底にある淀んだ宇宙の住人だった。素面だと道端の老犬のように静かに優しいのに、一滴のアルコールで彼らは制御不能な獣に変身した。そして20代のほとんどを獣の世話に明け暮れたわたしも、酒に依存する人間に依存しながら、状況を好転させるどころか彼らの人生をよけい悪化させているだけなことに、ある日気づいてしまった。
 アーティスト“小指”がいま初めて綴る、傷だらけの日々の記録。生きることに不器用な、3つの魂がひとかたまりになって坂を転げ落ちていく先に底はあるだろうか。明るい陽の差す出口は見えるだろうか。
(都築響一)
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