
齋藤陽道選 帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ』
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出版社:朝日新聞出版
多くの受賞歴をもつ小説家であり、臨床40年の精神科医が
悩める現代人に最も必要と考えるのは「共感する」ことだ。
この共感が成熟する過程で伴走し、
容易に答えの出ない事態に耐えうる能力がネガティブ・ケイパビリティである。
古くは詩人のキーツが
シェイクスピアに備わっていると発見した「負の力」は、
第二次世界大戦に従軍した精神科医ビオンにより再発見され、
著者の臨床の現場で腑に落ちる治療を支えている。
昨今は教育、医療、介護の現場でも注目されている。
セラピー犬の「心くん」の分かる仕組みから
マニュアルに慣れた脳の限界、
現代教育で重視されるポジティブ・ケイパビリティの偏り、
希望する脳とプラセボ効果との関係……
せっかちな見せかけの解決ではなく、
共感の土台にある負の力がひらく、発展的な深い理解へ。(出版社より)