
【6/ 25 (日)】『『ドライブ・マイ・カー』論』『ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家』刊行記念
「ダルデンヌから濱口竜介へ、そして現代映画への旅」
佐藤元状 × 冨塚亮平 × 若林良
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日程 | 2023年6月25日 (日) |
時間 |
18:00〜19:30 開場 17:30〜 |
料金 | 1,540円(税込) |
定員 | 80名 |
会場 | 本店 大教室 |
4月5日に『ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家』、4月6日に『『ドライブ・マイ・カー』論』という、2冊の本が刊行されました。
二度のカンヌ国際映画祭最高賞を受賞しているダルデンヌ兄弟はもちろん、濱口竜介監督も『偶然と想像』でベルリン国際映画祭銀熊賞、『ドライブ・マイ・カー』でカンヌ国際映画祭脚本賞ほか4冠、アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞し、すでに世界的な監督として認知されています。そして両者は、作品に演劇的なモチーフが見られること、初期にドキュメンタリーを製作していたこと、演技未経験者の起用など、方法論的な近似性が存在しています(そして、それゆえに浮かび上がる作家的特質の違いも当然存在します)。本イベントでは『ダルデンヌ兄弟』の編者である若林良さん、『『ドライブ・マイ・カー』論』の編者である佐藤元状さん・冨塚亮平さんにお越しいただき、両監督の魅力はもちろん、ロベルト・ロッセリーニやロベール・ブレッソン、ジョン・カサヴェテスなど両者が影響下にある(と思われる)映画作家、現代で活躍する、かつ両者と親和性の強い映画作家についてお話をいただき、それを通じて、現代映画の見取り図なども感じていただければと思います。
プロフィール

佐藤元状 さとう・もとのり
1975年生まれ。英文学者、映画研究者。慶應義塾大学教授。著書『グレアム・グリーン ある映画的人生』(慶應義塾大学出版会)で表象文化論学会賞受賞。他の著書に『ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴの映像学』(ミネルヴァ書房)がある。共編著に『愛と戦いのイギリス文化史 1951-2010年』(慶應義塾大学出版会)、共監訳にレベッカ・L・ウォルコウィッツ『生まれつき翻訳 世界文学時代の現代小説』(松籟社)がある。

冨塚亮平 とみづか・りょうへい
1985年生まれ。米文学、文化研究者。神奈川大学助教。『ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家』には『少年と自転車』論を寄稿。
論文「「客間」と「書斎」——空間表象に見るエマソンの家政学」(『アメリカ研究』54号、2020年)でアメリカ学会斎藤眞賞受賞。共著に『よくわかるアメリカ文化史』(ミネルヴァ書房、2020年)など。2021年より『キネマ旬報』にて外国映画星取レビュー連載中。近年の映画関連の仕事に、『ユリイカ』三宅唱特集、A24特集、「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」など。

若林良 わかばやし・りょう
1990年生まれ。映画批評/ライター。ドキュメンタリーマガジン「neoneo」web編集長。『リアルサウンド』『キネマ旬報』『現代ビジネス』等に寄稿。単著に『偉人たちの辞世の句』(辰巳出版)。共編著に『アニエス・ヴァルダ 愛と記憶のシネアスト』(neoneo編集室)ほか。パンフレットへの執筆参加作品に『ガーデンアパート』『ナイトクルージング』ほか。エクリヲweb連載「新時代の映像作家たち」に参加。
書籍情報

佐藤元状・冨塚亮平編『『ドライブ・マイ・カー』論』(慶應義塾大学出版会)
定価:2200円+税
世界はなぜ『ドライブ・マイ・カー』に熱狂したのか?
アカデミー賞国際長編映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、全米批評家協会賞4冠などに輝いた濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』。世界を席巻した本作について、アメリカ、日本、香港、台湾、韓国の研究者が徹底分析する一冊。
国際シンポジウムDrive My Car : A Symposium on Hamaguchi’s Cross-Media Vehicleの内容に加え、西崎智子氏(広島フィルム・コミッション)、文化庁参事官(芸術文化担当)、そして濱口竜介監督への特別インタビューを追加収録。

若林良編『ダルデンヌ兄弟 社会をまなざす映画作家』(neoneo編集室)
定価:2300円+税
ベルギーのみならず世界の映画界を代表する兄弟監督として知られる、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ。そんな彼らの出自は、もともとはドキュメンタリーにあった。1970年代半ばからブリュッセルを拠点に、労働者の団地における都市計画の問題、レジスタンス活動、ゼネスト、ポーランド移民といったドキュメンタリー映画を撮りつづける。やがて劇映画に進出したのちも、現実を厳粛に見つめ、利潤を追求する社会が生み出したさまざまな矛盾への問題提起を『少年と自転車』『その手に触れるまで』といった作品の発表を通して続けてきた。本書は、新作『トリとロキタ』を発表し、今後のさらなる飛躍も予感させるダルデンヌ兄弟の作品を網羅した、日本初となる論集である。