
アラン・バディウ『非美学への手引き』
坂口周輔 訳
出版社:水声社
芸術はそれ自体が思考する。
芸術と哲学の関係はいかなるものなのか? 芸術を真理との関係から問い直し、ダンス、映画、演劇、散文、詩を例に作品でも作者でもなく出来事的な切断によって先導される《芸術的布置》の次元を見定める渾身の芸術論。
《「非美学」という言葉で私が意味するのは、哲学と芸術とのある関係である。それは芸術それ自体が諸真理の生産者であると提起するのであって、哲学のために芸術を一つの対象にしようとは少しも望んでいない。美学的思弁に抗して、非美学が記述するのは、いくつかの芸術作品の自律した実存によって生み出される厳密に哲学内的な諸効果である》(本書より)