
ジーン・リース『あの人たちが本を焼いた日』
編集:西崎憲
翻訳:安藤しを、磯田沙円子、樫尾千穂、加藤靖、小平慧、笹原桃子、沢山英理子、獅子麻衣子
出版社:亜紀書房
――わたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。
カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。
しかも女性である。
自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。
だが彼女らはけっして下を向かない。
慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。
《いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集》(出版社より)